機長の失敗談

 飛行機の進行方向、左側の席が機長席です。軽飛行機の左側の席に座り、これまで失敗したこと、危うく命を落としそうになったことなど、あまり教えたくない秘密のお話です。
 そんな話なので、基本的に写真はありません。

おおっー、ぶつかる!
 アメリカでの訓練中のできごとでした。教官が隣に座り、飛行訓練を受けていました。
 訓練メニューをこなすときは、周囲に飛行機が飛んでないか目視でよく確認してから訓練を始めます。その時も何らかの訓練をしていたんですが、いないはずの軽飛行機が急に目の前に・・・・。
 あっーと叫ぶだけの訓練生の私、おおっーとすぐに操縦桿をとり、スリップ(エルロンとラダーを通常とは逆方向に操舵し、急激に高度を落とす操作)で回避操作を行う教官。「危ないなー」と少し切れ気味の教官ですが、無事、生還しました。あー、生きてるって思いました。

滑走路を間違える
 滑走路が1本の空港の場合、風向きによりどちら向きに離陸するかというのはありますが、滑走路が2本(平行滑走路、横風用滑走路)あると機長の思い違いで間違えることがあります。ちょっと昔、羽田空港の沖合い拡張で供用開始していない滑走路へエアラインのパイロットが誤って着陸したことがありました。

 私も、昔、いつも使う滑走路と勘違いして間違えたことがあります。横風用の滑走路がある国内の空港でのできごとでした。その空港では、通常、Runway 27を使うのがほとんどで、自分も横風用の滑走路を使用したことはありませんでしたが、その時は、アクティブ・ランウェイがRunway 27ではなく、横風用滑走路のRunway 31でした。
 管制塔と交信していましたが、完全に勘違いして、Runway 31を管制塔の許可なく横切って、ランナップ・エリアへ行こうとしていました。急に管制官が呼ぶので、「ハッ」と気がつきました。管制官から怒られ、「すいません、以後、気をつけます。」と丁重にあやまりました。我ながら危険な行為でしたので、かなり反省しました。


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